カテゴリ:お役立ちコラム / 投稿日付:2022/09/26 06:00
皆さんは「更地渡し」をご存知でしょうか。
不動産の売却をお考えの人は、耳にしたことがある人も多いと思います。
そこで今回は更地渡しについてとそのメリットまで紹介していきます。
□更地渡しとは?
更地渡しについて紹介していきますが、実は、「更地渡し」という言葉には明確な定義は存在していません。
一般的には、建物を売り主負担で取り壊し、更地になったその土地をそのまま買い主に引き渡すことであると認識されています。
しかし、この認識はあくまで一般的な認識であるだけで、人によっては異なることがあります。
そのため、売り主と買い主との間で認識を共通させることをおすすめします。
また、更地渡しに対し、「現状渡し」という概念も存在します。
現状渡しの一般的な認識は、売り主が建物を取り壊すことなく、現在の状態のまま不動産を引き渡すことです。
従って、買い主が住居を必要としない場合は、買い主が自己負担で取り壊しを行わなければなりません。
□更地渡しで売却するメリットとは?
ここからは、更地渡しとして売却することのメリットを紹介していきます。
そのメリットは大きく分けて以下3つです。
1つ目は、売却自体がより容易になることです。
古家が建ったままの土地は、買い主の負担が大きくなりやすいため、不動産取引市場ではあまり人気ではないです。
なぜなら、そのまま古家に住むと決めた場合も別の用途で使うと決めた場合も、いずれにしても住居の建て替えや撤去が必要になる可能性が高いためです。
一方で、更地渡しであれば、買い主が自由に土地を利用できます。
例えば、家を建てたり、店舗や駐車場を設けてビジネスを始めたりすることができます。
2つ目は、買い主が決まってから解体工事に着手できることです。
つまり、古家付き土地を売却する際に更地渡しにすれば、解体費用が無駄になるリスクがなくなります。
また、引き渡し日には不動産の売却代金が入るため、売り主の負担を最小限に抑えられます。
3つ目は、解体工事の費用を節税できることです。
更地渡しは、いわゆる節税になります。
不動産を売って利益が出た場合、翌年の確定申告で「譲渡所得税」を納税しなければなりません。
その際、更地渡しをしていた場合は、古家付き土地を売却するために支払った解体工事費用を「必要経費」として扱い、不動産の売却代印から差し引きできます。
譲渡所得税を含めた税金の算出は、売上高に必要経費と控除額を引いた額になります。
従って、この必要経費に更地渡しのための解体工事費用を含めれば、利益が少なくなり、納税額を安くすることが可能です。
しかし、マイホームを売却する場合は、3,000万円もの控除を受けられる優遇措置の利用が可能です。
こちらは、高額な資産を売却する場合に限られますが、相続等で高額な不動産を手に入れる可能性があるため、覚えておくことをおすすめします。
□まとめ
今回は、更地渡しについて説明し、そのメリットまで紹介しました。
文中にもありますが、更地渡しの概念には具体的な定義がありません。
そのため、更地渡しのメリットを理解しつつも、実際に行う場合は契約相手と共通認識の確認をすると良いでしょう。