カテゴリ:お役立ちコラム / 投稿日付:2023/06/15 17:00
先日、新聞で「マンション建て替え要件緩和」
という内容の記事を目にしました。
気になったので、本日のブログでは、マンション建て替えについての
お話をしたいと思います。
□築年数40年以上の分譲マンション
国交省の調査によると、2021年末時点で
築40年以上のマンションは、115.6万戸あるといわれています。
これは、マンション全体のおよそ2割に該当します。
築40年以上というと、再建築や大がかりな修繕が必要となってくる年数となりますが、
今のままいくと、10年後には約2倍の249万戸
20年後には約3.7倍の425.4万戸ものマンションが築年数40年以上となります。
いわば、マンションの老朽化に既に直面しているわけです。
古くなったマンションを建て替えていけば、当然この問題も解決しますが
2021年時点で、建て替えが行われたマンションは僅か263件!
全体の約0.27%という僅かな数なのです。
何故、マンションの建て替えの事例はこんなにも少ないのでしょうか。
□ハードルが高いマンションの建て替え
もちろん、マンションの建て替えには、かなりの費用が必要になりますが
その裏で、大きな障壁になっていることがあります。
現行の「区分所有法」では、区分所有者および議決権のの5分の4以上の多数が
あれば建物を建て替えることができるとされています。
※議決権とは、各区分所有者が有する占有割合のことをさします。
例えば、占有面積1,000㎡の物件で、100㎡の部屋を所有する者の
議決権は 1,000分の100 となります。
さらに、マンションの老朽化だけでなく、所有者の高齢化も問題の一つです。
所有者が、亡くなっている場合には、その相続人に同意を得る必要がありますが
相続人が複数いて全員に連絡が取れないというったように、
所有者が不明のケースも多々あります。
「老朽化」と「高齢化」の深刻な2つの問題を背景に
建て替えには、現行の区分所有法が更にハードルを上げてしまっているのです。
それでは、この度試案された内容は、どのようなものだったのでしょうか。
□緩和要件の内容
あくまでも中間試案の段階ですが、緩和対策として
「現行の5分の4以上の同意から 4分の3へ引き下げる」
ことが挙げられています。
また、耐震性や火災などに対する安全性などが、基準に適合していない場合は
3分の2まで引げるといった案も出されています。
さらに、所有者や相続人と連絡がつかない場合
多数決からその者の分母を除くことができるようにする、案もあります。
集会へ参加した人の中で決議を取るということですね。
これらに関して今年7月よりパブリックコメントを求め
来年の改正案提出に進むそうですよ。
パブリックコメントは、広く多く民意を募ろうとする制度です。
今現在も、あらゆる分野で多くの募集がされ、どなたでも
意見をすることができます。
是非、覗いてみてくださいね♪
□まとめ
以上、マンション建て替え要件が緩和されるかも!といった内容でした。
決定はまだ先になりますが、パブリックコメントで
私たちの意見が反映されるかもしれません。
是非参加してみてくださいね♪