カテゴリ:不動産取引についてのイロハ / 投稿日付:2022/09/03 14:12
ローンの支払い方法には「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があることをご存じでしょうか。
通常、ローンは、元金(ローンの残高)に利息が含まれた額を毎月返済していく仕組みですが、
元金と利息の割合や返済額が異なるのがこの元利均等と元金均等です。
今回の記事では、住宅ローンを組まれる方に是非知ってほしい
「元利均等返済」と「元金均等返済」の違いについて解説していきます。
□「元利均等返済」「元金均等返済」とは
まずは2つの返済方法の違いについてです。
「元金均等返済」とは
●毎月の返済額が一定
●当初の返済額が、元金均等より少額
●元金の減りが遅い
「元金均等返済」とは
●当初の返済額が元金均等より高いが、毎月下がっていく
●元金の減りが早い
●総返済額が少ない
これらのことが、それぞれの特徴と言えます。
簡単にイラストにしてみました。
図で比較すると、支払額が一定で元金の減りが遅い元利均等返済と
元金が一定で、返済期間に連れて返済額が減少していく元金均等返済
お判りいただけるかと思います。
「金利や年数が同じなら、総返済額って同じじゃないの」と思われるかもしれませんが
総返済額では、元金均等返済の方が少ないのがおもしろい仕組みです。
実際にローンのシミュレーションを使って具体例をみてみましょう。
□元利均等返済と元金均等返済の比較
・借入額3,000万円
・返済期間 35年
・固定金利 1.5%
具体例として、この同じ条件で住宅ローンを組んだ場合の元利均等と元金均等について比較したいと思います。
元利均等返済では、1回目の返済額は 91,855円で
その内元金 54,355円 利息37,500円となります。
元金均等返済では、返済額は一定ですから35年間一律91,855円を支払い続ける
ことになりますが返済期間が進むにつれ以下の様に元金と利息が変動していきます。
10年目 元金63,067円、利息27,835円
20年目 元金73,267円、利息18,588円
35年目 元金91,648円、利息114円
と徐々にその元金の割合が増えていきます。
そして総支払額は、38,579,007円です。
次に元金均等返済では、1回目の返済額 108,928円
内元金が71,428円 利息37,500円です。
元金均等返済は、元金が一定なので、こちらは元金71,428円が一律となりますが
返済額と利息が次のように変動します。
10年目 返済額108,124円 利息 36,696円
20年目 返済額 87,588円 利息 16,160円
35年目 返済額 71,757円 利息 89円
当初に比べて返済額がかなり安くなっていますね。
こちらの総支払額は37,893,605円です。
総返済額でみると一目瞭然ですね。
だからと言って、元利均等がだめで、元金均等が良いのかというとそうではなく、
具体例を見ると、当初の返済額に1万円近く差があります。
住宅ローンの返済途中は、お子様の進学や習い事、車のローン、奨学金の返済等等が
被るケースも多いので、当初の返済額が抑えられ、尚且つ返済額が一律で、生活設計を立てやすい
ことが元利均等のメリットとも言えます。
□まとめ
以上元利均等返済と元金均等返済の違いでした。
実際には元利均等返済を選択されている方が多く、元金均等返済の取り扱い自体
していない銀行もあります。
住宅ローンのシミュレーションはスマホでも簡単にできますので、
家族構成や現在の収支を考えならが是非試算してみてださいね。
今回の記事が住宅ローンの選択肢として、皆様の参考になれば幸いです。