カテゴリ:不動産取引についてのイロハ / 投稿日付:2023/06/20 17:30
賃貸物件に住む場合、借主は、退去時「原状回復義務」を負うことになります。
原状回復と聞くと、「元の状態に戻す」事かなと
何となく想像できます。
しかし、クロスの汚れ、床の傷、畳焼け、ポスターや画鋲の跡などなど
何か月、何年と住んでいると当然消耗、劣化していくものを
果たしてどこまでの状態に戻さなくてはいけないのでしょうか。
今日は、「原状回復義務」の規定とトラブルを未然に防ぐために
できることの解説をしたいと思います!
□原状回復義務の考え方
原状回復のニュアンスが曖昧ではトラブルの元になってしまいます。
まずは、借主が負担する部分、そうでない部分を理解する必要があります。
国交省の「原状回復にかかるガイドライン」では
原状回復の定義を以下の様に定めています。
「原状回復とは、賃貸人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち
賃貸人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超える様な
使用による損耗・毀損を復旧すること」
さらに「賃貸人の通常の使用により生ずる損耗は原状回復がない」
と定義されています。
原状回復にかかるガイドライン
つまり、「入居した状態に戻す」ということではなく
「本来あるべきであろう状態にまで戻していれば良い」
というのが原状回復義務の意味合いです。
普通に住んでいる上での劣化は、借主が責任を負う必要はないということです。
フローリングや畳の日焼け、ポスターの跡などがこれに当てはまります。
冒頭に述べた画鋲の穴もこちらになります。
一方で、原状回復義務を負うものといえば
故意に・うっかり、壊した・傷つけた等です。
煙草によるクロスの汚れ、匂い、あるいはペットによる傷、
子供が破った障子、家具を動かすときに出来た傷等
気を付けていれば、損耗・毀損しなかった事柄については
原状回復義務を負う必要があります。
□トラブルを防ぐために
原状回復のトラブルとして、入居時、退去時の損耗の有無の
確認が不十分であることが原因と考えられていました。
退去時に傷があったとしても、「いつ誰がつけたのか」が
分かなければ責任の所在が分からなくなりますよね。
そのため、借主様には入居時にチェックリストをお渡しして
部屋全体に傷や汚れがないか確認してもらい、双方の認識の差を
少なくするようにしています。
私たちは、退去時にそのチェックリストと照らし合わせて
他の損耗等の有無を確認しトラブルを未然に防ぐようにしています。
□まとめ
以上原状回復義務についてのお話でした!
チェックリストは、お互いのために必ず!記入して
お渡しくださいますようお願いいたします( ¨̮ )