カテゴリ:不動産取引についてのイロハ / 投稿日付:2023/03/30 15:52
建築基準法では「接道義務」といって
敷地が道路に面していないと、原則建物を建てることができないルールがあります。
道路にも種類がありますが、ここでいう「道」とは、どんな道でもいいのでしょうか。
そんな疑問から、本日は、土地購入前に知っておきたい敷地と道路の関係についてご紹介します!
□接道義務とは
ひとえに「道」といっても、種類がいくつかあります。
国道や市道などの公道、私道、農道・林道なんかも道ですね。
「建築基準法の道路」とは、
原則として、幅が4m以上ある公道のことを指します。
接道義務は、この建築基準法の道路に敷地が2m以上接しなくては
建築できないという決まりです。
例えばでいうと、真四角ではない旗竿地でも2m以上の間口があればOKですが
どれだけ広い土地でも、間口が2m未満になると原則建築物は建てられません。
(幅が4m以上の道路に面していることを前提にしています)
しかし、この建築基準法は昭和25年施工されたもので
この原則の通りで行くと、建て替えをしたいけど接道義務の関係で出来ない
といった不都合がでてきます。
例えば、一番想像しやすいのは、接面道路の幅が4m未満のケースです。
立派な敷地だから立て替えたいのに接道の幅が3m99cmしかない!建物が建てられない!
となっては、日本中に空き家があふれ出すでしょう。
そこで、例外として以下の様な対策がとられました。
□接道が狭い
救済措置として代表的なのが「セットバック」です。
敷地が幅員4m未満の道路にしか面していない場合において、
道路の中心線から2m後退した範囲を道路の一部として提供することです。
建物はもちろん、塀などの外構工事も制限されます。
こういった道路は「2項道路」や「みなし道路」と呼ばれます。
例えば、道路幅が3mの道路の場合、50cm後退する範囲(ピンクの範囲)には
建築物を作ることができません。
自分の敷地なのになんだよ・・・と思われるかもしれませんね。
4m幅確保しなければならない最大の理由は
消防車や救急車など緊急車両が通れる道を確保する必要があるからなのです。
1件でもそれに応じないと、救急車両は大幅に遠回りをする必要が出たり
あるいは現場にたどり着けないケースもあるかもしれません。
惜しく感じるかもしれませんが、近隣住民そして自分の安全のために必要な幅なんですね。
□まとめ
今回は、セットバックについて深堀しました。
冒頭で「幅4mの公道に2m以上の間口」が原則と言いましたが
セットバックの様に例外として認められるケースもたくさんあります。
しかし、「再建築不可」となる敷地も当然あります。
不動産の購入や建て替えを考えられている人は、是非、接面道路に注目してみてくださいね。
敷地と道路の関係がとても大切なのです!
今回の記事が皆様の参考なれば幸いです。